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池田 丞 院長の独自取材記事

田柄動物病院

(練馬区/平和台駅)

最終更新日: 2023/01/22

東京メトロ・平和台駅を降り立ち、徒歩5分ほど。環八通り沿いに構えるアースカラーのビルに『田柄動物病院』を訪ねた。入口横にある大きな窓からは、通りがかりにも院内の様子がうかがえ、一歩中に入るとイメージカラーでもあるオレンジ色を効かせた明るい空間が広がる。出迎えてくれたのは、よく通る声と朗らかな表情が印象的な院長の池田丞先生。開業医として多くの動物たちの命に対峙する中で、けっして最期を諦めることのない、動物たちに本能的に備わった生への固着を目の当たりにしてきた。常に動物の気持ちに思いをはせ、過剰なストレスを与えない診療を心がけているという池田先生に、獣医師としてのこれまでの歩みを踏まえ、救えなかった命に対する思いや、ペットと飼い主のあるべき姿など、動物たちへの愛にあふれた持論をたっぷりと語っていただいた。 (取材日2014年6月9日)

飼い主とドクターが本音で対話し、最適な治療の選択を

今年1月に移転されたそうですね。院内の明るい雰囲気が印象的です。

練馬区内の貸店舗で開業してから19年。今回で2度目の移転になります。開業した当初は医院のロゴなんかもあえて作らず、特に宣伝もせず、私の腕だけで勝負する、いわば「味のうまいラーメン屋」のような医院を作りたいと考えていたのですが、より多くの飼い主さんに信頼していただくには、まずは当院を知っていただくことが第一歩。今回の移転を機に、医院のイメージカラーをオレンジに決めてロゴの製作をプロにお願いしたり、医院の内装にも少しこだわってみました。どなたにとっても、中の様子がよく見えないところに入っていくのは不安でしょうから、通りからも院内の様子がよく見えるように、窓を大きく取ったり、診療室やトリミング室も中の様子が廊下から見えるように、窓のついたドアを使っています。怖がり屋の猫たちが犬の吠える声におびえてしまわないように、入院用の犬舎と猫舎を別々に設けたほか、薬品や検査機器、診療に使う器具、資料などすべて引き戸の中に収納することで、すっきり整然とした空間で診療できるようになりました。

どんな種類のペットが来院しますか?このエリアならではの特徴は?

犬が6割、猫が3割強、そのほかはウサギやハムスターなどの小動物といったところでしょうか。症例としてはワクチン、フィラリア、ノミなどの予防のほか、皮膚病や耳の疾患、ここ数年は高齢化による心臓病や腫瘍、歯の不調で訪れるペットも増えています。かかりつけでいらっしゃる飼い主さんの世代としては、私と同じ40代か、少し上の世代の女性が中心。このあたりは都内でもまだまだ畑も多いですし、ゆったりと穏やかな環境で飼われている動物が比較的多いように思います。

診療時にどんなことを心がけていらっしゃいますか?

来院した動物は、私たち獣医をどう見ているでしょうか?診療台に乗せられ、いったいこれから何をされるのか、飼い主さんがそばで見ているとはいえ、相当な恐怖とストレスを感じているに違いありません。当院はペットホテルもやっていますが、ホテルと言えば何だか聞こえはいいけれど、要は檻に入れられて自由を奪われてしまう場所。吠えたり、噛んできたりする子がいるのは至極当然のことと言っていいでしょう。ですから、ここへやってくるペットたちのそうしたストレスを少しでも理解しようと努め、ささいなことですが、初めからあまり強く押さえつけたりせず、よく撫でてあげながら診察を始めるようにしているつもりです。また飼い主さんとじっくり対話することも、信頼関係を築いていく上では大切なこと。できるだけ専門用語を使わずにわかりやすく説明し、治療によるメリットもデメリットも包み隠さずお話して、大事なペットの治療方針について飼い主さんと本音で話し合い、時間をかけて選択していただくようにしています。決断を急がせるようなことはしたくないので、急を要するものでなければ、一晩自宅でゆっくり考えてから再度来院していただくことも多いかもしれません。

目の前の命を守りたいと願う純粋な気持ちだけは忘れずにいたい

先生が獣医師の道を志されたきっかけは?

子どものころから自宅で犬を飼っていて、犬猫に限らず昆虫なんかも好きでした。飼い犬はすこぶる健康でしたから、獣医師の存在がそれほど身近だったわけではないのですが、小学生時代の文集の「将来なりたい職業」の欄には既に「獣医」と書いていました。私の動物好きなところを感じた両親が、それとなく獣医という職業に導いてくれていたのかもしれないなと思っています。運よく獣医学科に進学し、実習もいろいろ経験した6年間のうち、今でも最も印象に残っているのが、牛の屠殺場の見学です。人間が食べるためだけに牛の命を奪う、そのために設けられた施設です。地球上の動物たちの命を左右するのは、人間の欲なのだということを深く考えさせられました。とはいえ、その帰り道に同級生とファーストフード店に立ち寄って、ハンバーガーを食べて帰ってきたくらいですから、当時はいろいろなことを感じつつも、命の重みに対してまだそれほど実感は持てていなかったんでしょうね。

卒業後は農水省職員として国際空港の動物検疫所に勤められたそうですね。

念願の獣医学科に進んだ当時の私は、獣医の使命に熱い思いを募らせ、次第に「自分が日本じゅうの動物を守るんだ」と、大それた夢を抱くようになりました。その夢を実現するために、早い段階から農林水産省動物検疫所への就職を意識して勉強していたんです。計画的な公務員試験勉強の甲斐あって、希望通りに就職し名古屋空港の動物検疫所で輸出入検疫業務に従事する中で、当時は狂牛病を水際で防ぐ大きな使命を負って仕事をしていました。しかしそうした仕事は確かに日本じゅうの動物を守ることには違いなかったのですが、多くの仕事が書類上で進んでいってしまうんです。そんな中、学生時代の友人がクリニックで子犬の命を救った話を聞くにつけ、より動物たちを助けているという実感を得たいと考えるようになりました。検疫所を2年で退職した選択は若さゆえのことだったかもしれませんが、開業医として身近な動物たちを救う道を選んだことに、当時も今も後悔は全くありません。

開業なさってから、命の重さを実感される場面にも多く立ち会ってこられたのでは?

そうですね。ペットホテルで預かっている最中に亡くなってしまった子、交通事故に遭った瀕死の子猫を手術したのに救ってあげられなかったこと…そうした悔しい思いは何度も何度も経験しました。患者さんの前で自分も泣きたいけれど、泣けないつらさも数えきれないほど味わってきました。生死の境をさまよう動物たちを診ているとき、普段は神様なんてあまり信じないほうなんですけど、その瞬間だけは「どうか神様、お金なんていりません。どうかこの子を助けてやってください」と、いつも祈るような思いに駆られます。長い間かかりつけで通院していたり、一定期間入院させて様子を見ていたりすると、当然情だってわいてくるものです。私はビジネスとして獣医の仕事をしていますが、獣医である前に一人の人間。開業している以上、経営についてまったく考えないわけにはいきませんが、神頼みしてでも目の前の小さな命を守りたいという純粋な気持ちだけは、ずっと持ち続けていたいと思っています。

動物たちが元気になり、飼い主さん家族を笑顔にするお手伝いを

ご自身も猫を飼われているそうですね。プライベートな時間はどのようにお過ごしですか。

自宅では猫を二匹飼っています。獣医として救ってあげることができなかった命への懺悔の気持ちもあり、どうせ飼うのなら行く先が見えている動物を一匹でも救ってやりたいと、動物愛護センターから一匹連れてきました。もう一匹は東日本大震災の被災地を訪れたときに出会った猫です。初めて会ったときはどちらもやせ細っていて、おびえた様子でしたが、今ではどちらもそんな過去が嘘のように、ふてぶてしく平和に暮らしていますよ(笑)。開業してからは、空いている時間も往診に出たり、院内の雑務をこなしたりして、プライベートな時間ってなかなか取れていませんね。二人の息子も中学生と高校生になり、部活に忙しくて家族そろって過ごす時間は少なくなりましたが、夢中になれるものを持ってくれていて、親としてはうれしく見守っているところです。

今や動物は家族同然。近頃のペットと飼い主さんのかかわり方をどんなふうにご覧になっていますか?

ペットは家庭に笑顔をもたらすための存在ですから、飼い主さんが家族の一員として、あるいは擬人化して育てることに対しても、私は否定しません。実際診療していても、散歩に行った先で犬同士の付き合いができなかったり、外で排泄できずに家まで我慢してきたりする、引きこもりの状態に陥っている犬も増えてきています。またアトピーや皮膚病、フローリングの室内で過ごすことによる関節疾患も多くみられます。確かに室内で飼われ、本来の犬らしい暮らしをしていないことによる弊害はあるのかもしれませんが、犬にとって、家族にとって幸せなら、たとえ引きこもりでもわがままでも、溺愛しても、飼い主さんの責任の範囲でそれは許されることなのではないかと考えています。必要に応じてペットの健康のために改善すべきポイントをアドバイスすることはあっても、飼い方自体を否定するようなことはすべきではありません。人為的に引き起こされる病気もありますが、それも気づいた後に注意してあげればいい話。その飼い主さんとペットの生活のありようを尊重し、フォローして差し上げるのが私たちの役割なのではないでしょうか。

最後になりますが、今後の抱負と読者に向けてメッセージをお願いします。

こんなことを聞いては失礼だとか、いけないとか、私たちに対して遠慮は不要です。聞きたいことは遠慮なくどんどんお尋ねください。そういう対話の中から、私の考えを飼い主さんに知っていただき、信頼関係を築いていきたいと思っています。かかりつけの方でも、もし近所に新しいクリニックができて気になるようなら、こちらに遠慮することなくぜひ足を運んでみてください。比較して選んでいただいたほうが、飼い主さんと獣医の信頼関係もこれまで以上に深いものになり、長続きしていくはずですからね。練馬はペットクリニックが都内では世田谷区に次いで二番目に多いんだそうで、つまりは日本で2番目に同業者との競争が激しい地域ということになるんでしょうね。幸いこちらに移転してきてからも、飼い主さんからの依頼で埼玉方面にも往診に出かけたりと、慌ただしいながらも楽しく働かせていただいています。頼りにしていただけるうちが花。動物たちが元気になり、飼い主さんご家族に笑顔になっていただくために、目の前の動物たちの診療に全身全霊で取り組んでいきたいと思います。

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