都営浅草線西馬込駅より徒歩5分。国道1号線沿いにある「ロイヤルペットクリニック西馬込本院」。病院の前に駐車スペースがあり、車で訪れるにも至便なロケーション。診療は年中無休で、往診、送迎、トリミング、ペットホテルと多様なサービスを展開している。1964年の開院以来、地域に密着した動物病院として愛されており、吉村武仁副院長は3代目として信頼を深めるべく日々診療に取り組んでいる。現在は、川崎、大森海岸にも分院を持ち、専門性を持つ獣医師たちと連携をとりながら、外科、内科、皮膚科、眼科、循環器など幅広い疾患に対応している。診療以外にも「歯磨き」「食生活」「車酔い」など、さまざまな相談も気軽に受け付け、犬の散歩の途中に立ち寄る人も珍しくないそう。そんなアットホームな雰囲気の病院のこれまでの歴史や治療に対する思いなどを、吉村副院長に伺った。
(取材日2012年8月22日)
―獣医師を目指されたきっかけを教えてください。
実は僕は3代目なんです。祖父からはじまり、父は当院の院長です。開業からは50年近くになります。以前は、ここから10分程の住宅街にあり、自宅と病院が一緒だったので、病院には小さい頃から遊び感覚でしょっちゅう行っていました。そこでこっそり手術や治療の様子を見ていて「ああやるのか」「こうすると治るんだな」と幼心に知識を学んでいたと思います。同時に楽な仕事ではないことも父の姿を見て感じていたので、果たして自分にもできるものなのかと、直ぐには継ぐことを決意できませんでした。でも、高校生になり進路を考えた時に、やはり父と同じ道を目指そうと決心しました。今では継いで良かったと思っていますし、自分の仕事に誇りも持っています。大学卒業後は、日本獣医生命科大学病院に研修医として勤務しました。新卒で右も左もわからない人間が、いきなり2次診療の施設に行ったので、寝る暇も惜しんで勉強しました。外科研究室に所属させていただき、手術が入れば深夜まで続くこともあり、そんな日は徹夜したまま朝から大学病院で診察というハードな生活で、体を壊したこともありました……。ですが、若い時の苦労は買ってでもしろとはこのことですね。今も大学の専門の先生と人脈もありますし、皮膚科、循環器など全ての診療科目を学ぶ得難い経験ができました。
―こちらの場所に病院を移されたきっかけは?
よりアクセス便利な場所を探していた頃、ちょうどこのマンションが立ちました。実はオーナーさんが動物好きな方で、犬の銅像がエントランスに立っていて、「動物と共存できる住空間にしたいので、1階に動物病院に来てほしい」と声をかけていただきました。車での来院も便利な場所でもあったので、こちらに移転してきました。ここにきて父と一緒に働いていた時期もありますが、次第に任される領域が増え15年前に副院長になり、父は川崎病院をメインに診察しています。僕はこの辺りが地元なので、僕を小学生の頃から知っているという患者さんには「こんなに大きくなって、まさか診てもらうことになるとは」と驚かれますね。そんな患者さんの息子さんや娘さんが僕と同じぐらいの年になってまたいらっしゃる。うれしい関係が何十年も続いています。父を知っている方には、僕は「若先生」なんて呼ばれています(笑)。
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