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増川洋史 院長の独自取材記事

アーク動物病院

(大田区/田園調布駅)

最終更新日: 2023/01/22

関東では高級住宅街の代名詞となっている東京・大田区田園調布。駅から7分の便利な場所で、30年近く診療を続けているのが「アーク動物病院」だ。麻布大学獣医学部の同級生だった院長の増川洋史先生と奥様の増川薫先生は開院当初から、犬猫以外にもフェレット・ウサギ・ハムスター・プレーリードッグ・モルモット・リスや小鳥など小動物の診療を続けてきた。総合医として一次診療を行ないたいという思いから幅広い診療内容を提供するほか、日本補助犬協会のメディカルサポートや野生動物の保護など、動物たちのために様々な支援も行なっている。病院に洋史院長と薫先生をたずね、診療スタンスやペットとの付き合い方、愛犬・ボンゾとのなれ初めなど興味深く話を聞いた。 (取材日2014年8月14日)

手のひらに乗る小さな命にも最善の動物医療を

開業の経緯や地域の特徴を教えてください。

【洋史先生】僕が東京出身なので都内を希望していましたが、あえて田園調布を選んだのではなかったんです。薫先生が移転前の店舗を見つけてきて、条件が合ったので開業しました。開業は1986年11月、2000年にここに移転しました。当初は近隣の方が患者さんでしたが、転居されても遠くから通ってくれる方が増えています。 【薫先生】この地域ではハムスターや小鳥などどんなに小さな動物でも、費用は関係なく良い医療をしてほしい、この子を助けてほしいという方が多いようです。開業当時、小動物を見られる動物病院があまりなくて、私も獣医師になってから国内外でセミナーを受講するなど積極的に勉強しました。珍しいペットでは、お猿さんを飼っている方が通われていました。飼い主さんがいないと威嚇して私たちにも触らせないので、最初は治療のため麻酔をかけるしかなかったのですが、次第に私にだけは逆らわなくなりました(笑)。

麻酔と聞くと身構えてしまう飼い主も多いと思います。

【洋史先生】僕が学生の頃は大学の実習でも麻酔事故が起きるほどでしたが、近年は質が上がり、事故率は下がっています。最近の麻酔事故はリスクの見逃がしによるものが多く、事前の検査が不十分で起きる場合がほとんどです。要点をきちんと押さえ、覚めた後も興奮して暴れないように手をかけることが必要です。当院では年に2回、麻酔をかけて歯石をとる子がいるくらい、飼い主さんが信頼してくれています。 【薫先生】動物医療全体としても最近は交通事故より少ない確率と思います。安全な麻酔と手術、日頃の健康管理のためにも、定期的に健康診断を受けて変化に気づいてあげてほしいです。麻酔と一言で言いますが注射麻酔と吸入麻酔とありますし、当院では全身麻酔の際には静脈確保し必ず点滴をしながら行ないます。モニターを確実に行ない、変化があったときにすぐに対応できる状態で全身麻酔を行います。

待合室がすごく広いですね。

【洋史先生】落ち着かないペットを連れた方が3組いても大丈夫という点にこだわって、設計してもらいました。 【薫先生】この付近は大型犬が多い地区ですし、モルモットや小鳥を連れた飼い主さんは、犬猫が近くにいると緊張しますよね。車いすの方もペットや補助犬とご一緒に来院できるようにと思ってバリアフリーにしました。すると補助犬を連れた方が見えるようになり、日本補助犬協会の方とつながりができて、私も人生が変わりました。

程よい距離感と幸福な思い出が介護の苦労やペットロスを防ぐ

人生が変わったというお話を、もう少し聞かせてください。

【薫先生】車いすの方が介助犬の診察に来られたことがご縁になり、介助犬のことを詳しく知ることができて、日本補助犬協会のメディカルサポートをさせていただくことになりました。私の子・ボンゾも、ユーザーさんと共に通院していた介助犬でした。ボンゾが6才の時、ユーザーさんが急逝されその後、生前のユーザーさんが「自分に何かあったらボンゾは薫先生に引き取ってもらいたい」とおっしゃっていたと聞きました。私も長年の獣医師生活で、飼い主様のペットに一目ぼれしたのはボンゾが初めてというくらい、思い入れのある子でした。ボンゾはもともとアメリカで生まれ、捨てられて一度シェルターに入った保護犬で、そこで介助犬にと見初められた子です。ユーザーさんが亡くなった後、もう1回介助犬として使えると言われたのですが、それまでも居場所を転々としていたので……。もういいよ、もうどこにも行かなくていいし行かせたくない、うちを終の棲家にと思い、迎い入れました。実際に介助犬と暮らしてみると、こういう素質の持ち主が人間のために仕事をする子になるんだと本当に勉強になりました。ボンゾはもう16才、今は介護生活に入っています。

飼育トラブルやペットロスが増えていますね

【洋史先生】ペットは室内で飼い、家族と考える人が増えてきたせいか、昔に比べればペットロスにかかる方も増えてきたように思います。ペットの死は避けられない問題と覚悟しなくてはいけませんが、だからと言って「死んだら悲しいから距離を置いて飼う」というのは違うと思いますね。そして、あまりに可愛いがりすぎてしつけができない飼い主さんも増えています。僕らの言うことは聞くのに、飼い主さんのことは噛む。溺愛し過ぎた末のペットロスを回避するためにも、問題が固定する前になるべく早くご相談いただきたいです。 【薫先生】ペットは絶対に先に見送らなくてはいけないのだから、悲しみを避けようと思わなくていい、何年でも悲しんでいいと思います。思う通りに行かずいつか亡くなるのだからこそ、良い思い出をたくさんつくるのが大切です。特に介護をしていると、いらつくこともあるんですね。そんな時、幸福な思い出が助けになって、すごく支えられます。私は楽しい時間を写真に収めていて何かあったときに写真を見るんです。こんなに幸せをくれていたのに、なぜ私いらついているんだろうとふと我に返り、救われます。

日頃の診療で気を付けていることはありますか。

【洋史先生】僕以外は全員女性で、僕は体が大きいせいか、最初はおびえる子がいます。だから僕は特に優しくするよう意識しないと、動物たちに嫌われてしまうんです。でも、優しくすると動物たちも変わって来るもので、猫ならそのうちゴロゴロ言うようになるので、そのタイミングで頭を撫ぜてもっと仲良くなるようにしています。飼い主さんにもそういうアイデアを提供しています。 【薫先生】唸るのも牙をむくのも怖いからですよね。だから声かけをして、「私は怖くないですよ」とオーラを出すように心がけています。そして飼い主さんには質問をしやすいようにお話をしています。「説明しました、ハイおしまいです」ではなく、ご質問ありませんかという声かけを心がけています。

愛犬の加齢とともにより一層、預けられる命の重さを実感する

ポリシーやこだわりを教えてください。

【薫先生】医療従事者として常に勉強を重ねて、その時点で一番良いと思われる技術や情報を、知識として更新しています。獣医学は半年前に正しいと言われていたことが半年後に覆っていることがよくあるので、世界から最新の情報を入手するようにしています。若い頃は技術ばかりが先行して、スキルを駆使してなんとか治してあげようとそればかり考えていたんですが、今は飼い主様のお気持ちに寄り添いご一緒に考え小さな家族の苦しみをつちかってきた技術と経験でやわらげるという姿勢に変わりました。 【洋史先生】庭で餌をやっているだけの猫と室内で飼われている猫とでは、飼い主さんが求める医療の内容が違うんですね。それでも、同じ命として差別をしないことが大事と思います。僕は獣医師会で野良猫対策に関わっていますが、麻酔一つにしても野良猫だから検査もせず注射一本で眠らせるとか、そういうことはしたくない。野良猫だから仕方がないという人もいますが、そうではないと思っています。

休日はどのように過ごされていますか。

【洋史先生】入院の子がいるので、開業してからは一緒に旅行したことがないんです。僕は釣りが好きで、休みがあれば秋田まで行くこともあります。川も海も湖も、釣り方も餌もルアーもフライもなんでもやります。アウトドアが好きなので山登りもします。忙しいときは健康のためロードバイクに乗って、仕事が終わってから出発して、青山抜けて高田馬場からから池袋・上野、銀座と走ります。東京は街の風景が変わって楽しいですね。 【薫先生】私のリラックス法は犬のボンゾと猫のキートス、長元坊(チョウゲンボウ)のアンバーと過ごすことです。キートスは小笠原父島の野生猫でしたが、東京都獣医師会の取り組みのひとつで馴化させて飼育しています。名前の意味はフィンランド語の「ありがとう」です。アンバーはハヤブサの仲間で、目の色から名前を付けました。私はカメラも趣味で、車にボンゾとカメラを積んで山や海辺を歩くのも楽しみでした。私にとってボンゾは親友であり恋人であり子どもで、飼い主様からお預かりする子もみんなそうなんですよね。ボンゾが年を重ねるとともに、シニアの患者さんの子たちをお預かりする責任が、以前よりずっしりと感じられるようになりました。 

最後に、読者へメッセージをお願いします。

【薫先生】とにかく院内の清潔が第一と考えていますので衛生面については安心してご来院ください。 また現在シニア犬の介護中、シニア犬、シニア猫(病院のシンボルである最初のダーリン猫は20歳で送りましたので)のお世話について東洋医学の面からもご相談に乗れます。そして医療には絶対はないのでインフォームドコンセントをしっから行うように心がけています。不安なときや不明な点は納得いくまで質問していただきたいと思います。 【洋史先生】話しやすい動物病院でありたいと思います。そもそも自分に合った病院でないと飼い主さんは話せないと思いますし、合わないところに無理に通っても良い関係、良い治療にはならないですから。

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