JR武蔵野線・北朝霞駅から徒歩9分ほどの住宅街にある「くさか動物病院」。ここは犬・猫のほか、エキゾチックアニマルの診療件数が多い病院だ。日下雄太院長はよく笑う優しい先生で、地域密着型のかかりつけ医をめざしている。診療の特色はエキゾチックアニマルも犬・猫と同じように高度な検査と治療ができること。希望すれば大規模病院も紹介してくれる。また対象動物もハリネズミ、デグーなどの小動物から鳥類までと幅広い。休診日など時間がある日にはラーメンの食べ歩きが趣味という日下院長に、診療方針から将来の夢までを大いに語ってもらった。
(取材日2016年4月19日)
―エキゾチックアニマルも幅広く診療されているのが特徴ですね。
現在、犬と猫、エキゾチックの比率はだいたい3割ずつ。犬・猫が8割を占める多くの動物病院と比べれば、エキゾチックの診療が多い病院と言えるでしょう。うさぎ・ハムスター・フェレットなどの定番動物から、最近人気が出てきたハリネズミやデグー、それに小鳥も診療対象にしています。例えばハリネズミやデグーにはハムスターなど他のげっ歯類にはない独特なかわいさがあり、人気が出ているのです。ハリネズミは普段はおとなしく、知らない人が来たりして怒らない限りはハリも立てないので撫でてやることもできます。病院の診察でも丸まってハリを立てられると診察できないので(笑)、基本的には麻酔をかけさせていただいて診ていますね。デグーも知らない人に触られると暴れますが、ハリネズミほど危険ではないので触診はできますよ。
―ハリネズミとデグーは、どのような症状が出たら診察の必要がありますか?
主訴はハリネズミだと皮膚炎、デグーは食欲不振が多いですね。8〜9割方はダニや真菌を持っていますので、診断をつけてダニ除去の薬を、また真菌の場合は抗真菌剤を処方します。服薬期間は1〜2ヵ月でだいたい症状が治まりますね。皮膚病はかゆみからしきりに足でかいたりする以外にフケが出てくるのですが、症状が出たら早めに受診して早期に治療を開始することですね。ハリネズミは肝臓病も多く、食欲不振、下痢、嘔吐などがその兆候です。健康な状態ですとおよそ6〜10年は寿命がありますので、ペットとできるだけ長く快適に過ごせるよう、普段からどこか具合が悪くないか? としっかり観察して「おかしいな」と思ったらなるべく早く病院に連れて行ってあげることが健康寿命を伸ばすコツです。あと、デグーは不正咬合も多いです。この場合は麻酔下で臼歯処置をします。
―うさぎ・フェレット・ハムスターについてはいかがでしょうか。
うさぎは食欲不振かな? と思っていると、不正咬合など歯の病気にかかっているケースがあります。不正咬合は歯が伸びすぎて咀嚼しにくくなる症状で、遺伝のほか固いものばかり与えるなど食生活も原因となります。あと、女の子は子宮疾患、特に腺がんが多いです。月齢6ヵ月以降に避妊手術をしていれば防げる病気で、3〜4歳を過ぎると子宮疾患のピークを迎え、約半数が罹患するので、それまでに避妊手術をすることをお勧めしていますよ。フェレットは副腎疾患、膵臓に発症する内分泌腫瘍のインスリノーマ、リンパ腫が多い疾患で、副腎疾患は脱毛が目立った兆候です。インスリノーマは震え、リンパ腫は下痢や嘔吐など。ハムスターは皮膚が弱いので皮膚腫瘍で、脱毛やしこり、かゆみなどの症状が出ます。あと女の子ですと子宮疾患も多く、血尿が疾患の主なサインとなります。
ドクターズ・ファイルの情報をスマートフォン・携帯からチェック!スマートフォン版では、GPS位置情報を利用した最寄りの病院探しができます。