―寄せられる相談にはどのようなものがありますか?
初めてペットを飼った方からの飼い方がわからないという質問が多いですね。意外かもしれませんが、ペットとしてポピュラーに思える犬や猫でも飼い方をよくわかっていない方も多いです。飼い方のイメージが先行し、その通りでなかった時にどうしたらいいかわからないことが結構あるようです。正しい飼い方を知っておくことはしつけをきちんとするためにも大切です。犬や猫は、生後一年経てば人間でいうところの20歳になるので、教育にかけられる時間がとても短いです。ペットたちはその短い期間で多くのことを学ばなければなりません。当院では、しつけのアドバイスはしっかり飼い主さんに説明するようにしています。その時には歯磨きの重要性も伝えるようにしております。特に、犬は小さい頃に歯磨きされることを覚えればきちんと我慢できるようになるので積極的にやっていただきたいです。
―歯磨きをしつけるコツはありますか?
のんびりやることですね。最初は、指で歯磨き粉をペットの口に付けたり舐めさせたりするところからスタートします。それに慣れてきたら、今度は歯ブラシに歯磨き粉を付けて舐めてもらいます。いよいよ歯ブラシを使って歯磨きするときは、磨きやすい犬歯から磨きます。そして、徐々にお口の奥まで磨くようにすると良いでしょうね。いきなり奥のほうまでやると嫌がりますし、トラウマになってもう歯磨きができなくなってしまうかもしれません。ただし、ゆっくりといっても生後4ヵ月を目安にするとよいでしょう。お口は将来、オーナー様の悩みの種になりやすいところです。早い子だと2〜3歳で飼い主さんが「お口の中が臭い」という理由で来院されます。特に、小型犬は顎が小さいため汚れが溜まりやすいですね。子犬を飼い始めたばかりでしたら頑張って歯磨きをしつけていただくことをお勧めします。
―しつけの過程が小児歯科での診療を見ているかのようです。
人間のお子さんの診察とは似ているかもしれませんね。僕は当院に来た動物がこの場所を嫌いにならないようにするためにはどうすれば良いか、常に考えるようにしています。飼い主さんはもちろん動物たちにもリラックスしてもらうために当院ではアロマを使っています。また、動物は人間が早く動くのを嫌うことが多いので、ゆっくり動くようにしています。特に、猫は嫌がりますね。それと、少しでも病院の怖いイメージが取れるように治療を頑張った子にはごほうびをあげています。
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