―獣医師をめざしたきっかけを教えてください。
僕の父が動物好きだったんです。ですから、生まれた頃からありとあらゆる動物がいました。犬、猫、ハムスター、ネズミ、モルモット、アライグマ、保護した野鳥、魚、トカゲ、カエルなどです。いつから、というのは覚えていませんが、小学校2年生の文集には将来の夢に「獣医師」と既に書いていました。その中でも一番印象に残っているペットは学生時代に飼っていたフェレットです。大学は北海道に1人暮らしで、フェレットが小さい頃からずっと一緒にいたペットでした。学生時代をともに過ごした友人という感じです。フェレットはそれまで飼ったことのない生き物だったので、どうやって飼うのが良いか調べて、考えるのが楽しかったです。実際に手で触れていて、育てた経験があると、オーナーさんにも「こうしたら飼いやすい」と説明しやすいですね。教科書に書いてあるとおりの説明をしても伝わりにくいんですよね。
―先生の休日の過ごし方を教えてください。
飼い犬とランニングをしています。速いかどうかはわかりませんが、距離でいうと毎日10kmぐらいは走っています。というのも、僕の飼っているサルーキという犬種はとても運動量を必要とする犬です。僕自身はもともと、走るのが好きなほうではなく、こんなことになるとは思ってもみませんでした(笑)。最近では、ランニングが趣味の人はこういうところを楽しんでいるんだな、というのがわかるようになってきました。飼い犬によってライフスタイルも変わりましたね。今は暇さえあればフルマラソンにも出たいです。それと、最近は水槽で海の生物も飼い始めました。過去には淡水魚も飼ったことがあったので、今度は海水魚もやってみようと、サンゴにも挑戦しています。サンゴは機材がそろっていても飼育が難しく、またなかなか美しく育ちません。まだまだ初心者ですが、いかに美しく成長させるかを悩むのが楽しいです。全般的に動物に対して手間をかけてあげたい、という気持ちが強いのかもしれないですね。
―最後に、読者にメッセージをお願いします。
動物の元気がないと思ったら、まず診察に来てください。「少し様子を見てみたいのですが……」とおっしゃるオーナー様も多いですが、人間と同じで早期治療がより良い結果を生みます。人と動物の時間の進み方の差を理解してほしいのです。特に、エキゾチックアニマルは、飼い始めてから1週間以内に必ず健康診断を受けてください。もしも病気にかかっていた場合に間に合わなくなってしまいます。寿命が短いエキゾチックアニマルにとっての1週間は、人間の数ヵ月に相当することがあります。だから、「1週間様子をみていたのですが……」と来院されても残念ながら間に合いませんでした、ということが起こってしまいます。取り越し苦労であれば、それに越したことはないですしね。「なんともないですよ」「良かった」で帰れるならそれが一番です。動物病院の意義は病気を治すことだけではありません。オーナーさんと動物に安心してもらうための場所でもあるのです。
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