JR武蔵野線東川口駅から車で8分ほど、ファミリー層が多く暮らす住宅地にある「美園どうぶつ病院」。犬や猫はもちろん、うさぎやハムスターなど哺乳類全般を診察してくれる。田中嗣彦院長は、獣医学部卒業後、お酒のメーカーに8年勤務。社会人としての経験を積んで獣医師になったという経歴の持ち主だ。会社員時代に培ったことを生かし、治すことだけを考えるのではなく、飼い主と動物の絆や飼い主の思いを理解して治療にあたることを心がけている。企業での経験、埼玉での開業、自分を育ててくれた飼い主との出会いなど「僕の人生は縁でつながっているんです」と語る田中院長。縁を大切にするからこそ、時間を惜しまず真剣に向き合っていく診療方針について話を聞いた。
(取材日2016年9月6日)
―院内がとても明るくて広々した印象ですが、こだわりはありますか。
大型犬を飼っている方が多い地域なので、待合室も診察室も開放感を意識しました。あと、意外に家族みんなでペットを連れてくる人が多いんですよ。例えばハムスター一匹にお父さん、お母さん、子どもたち二人とか(笑)。ですから、待合室も広い方がいいと思って。また、動物たちがお互いにストレスを感じないように適度な間隔が必要なので、広めの待合室にしました。以前は少し離れた場所で開業していたのですが、2015年にこの場所に移転して広さが確保できたことで、飼い主さんや動物たちにとって不便だなと思っていたことが解消できています。
―埼玉で開業されて8年になるそうですが、この町の印象は?
岩手大学の出身なので開業するなら東北でと思っていたんですが、縁あって、埼玉で開業されている先生のもとで4年ほど勉強させていただきました。それまで、埼玉のイメージがわからなかったんですね。けれど、生活するようになると地域の人は皆さん優しいですし、ペットに対しても一生懸命に考えている方が多いという印象に変わりましたね。
―地域とはどのように関わっていますか。
獣医師としてできる社会貢献のひとつとして、アニマルセラピーやアニマルエデュケーションなどの活動も行っています。老人ホームや小児医療センターに動物を連れて行くのですが、動物と触れ合うと皆さん元気になるんです。お年寄りは笑うことが増えたりよく眠れるようになるそうですし、病気の子どもたちも、つらい治療があっても「明日はワンちゃんに会えるから頑張る」と言ってくれたりするそうです。動物を助けると同時に動物に助けられるというお互いの関係を大切にしていきたいと考えています。
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