篠崎公園にほど近い「モア・ペットクリニック」は、院長の渡邉康人(やすと)先生と、その妻の美智子先生という夫婦の動物病院。2012年に開業後、犬・猫を中心とした一次診療をメインとしている。大学時代は挨拶する程度だったという2人だが、それぞれ獣医師として尊敬し支えあっていることは、話の端々から容易にわかる。今回は2人に、獣医師を志したきっかけからクリニック独自の取り組み、診察している動物に対し「気になって夜眠れないことがある」という思いの深さ、また院名の意外な由来まで幅広く話を聞いた。
(取材日2016年11月16日)
―まずは先生それぞれに、獣医師になったきっかけからお聞きします。
【康人院長】少年時代から生き物が大好きで、犬やハムスター、トカゲやヘビ、カエルなどいろいろ飼っていました。獣医師への夢をはっきり見定めたのが、日本大学附属中学2年生の時。それまで獣医師にどうしたらなれるのか分からなかったのですが、日大に「獣医学科」という学部があることを知り、ここに進めば獣医師になれるんだと発奮。猛勉強して、獣医学科に合格しました。
【美智子先生】幼い頃実家で飼っていた犬のもとに、男性の獣医師が往診しに来てくれていました。とにかくじっとしていられず、狂犬病の注射などをする際もとにかく暴れている犬にその先生は「良い子ですね〜!」と、女の人なのかしらと思うほどの声でやさしく接してくれていたんです。そんな対応能力の高さに、獣医師という職業に憧れを持ったのがきっかけです。
―設備面で工夫しているところがあればお聞かせください。
【康人院長】来院された飼主さまが長い時間を過ごされる待合室を快適にできるように、と開業の準備段階より気にかけてきました。まずワンちゃんと猫ちゃんが同時に入ってこられてもできるだけ距離を取れるよう待合室のスペースを可能な限り広く取りました。その甲斐あって、お昼休みの時間にドッグトレーナーさんを呼んでしつけ相談会などを開催できています。特に繊細な猫ちゃんが来院された際には第2診察室を臨時の待合室として個室感覚でお使いいただいています。他には、ワンちゃんや猫ちゃんも使うことができるウォーターサーバーを用意したり、待合室前方にある大型のモニターで、最近のペットの病気に関するトピックスや当院のご紹介、動物に関する豆知識などを放送する番組などを流しております。カウンター付近には、飼主さまから最近ご相談の多いオーラルケア用のガムやグッズを置いて、気軽に相談していただけるよう工夫しております。
―同院の特徴や注力されていることはなんですか?
【康人院長】最近の動物用医薬品やサプリメント、医療機器などの発達は目をみはるものがあり、勤務時代には本当に手を焼いた外耳炎やアトピー性皮膚炎、関節炎や涙やけなどさまざまな疾患に対して近年、画期的なお薬が次々と発売されました。当院は、普段からアンテナを張って、そのような最新の治療法をいち早くご提供できるよう心がけております。また内視鏡やCO2レーザー等の機械を導入し、患者さんに負担の少ない治療が行えるよう努力しております。
【美智子先生】私は特に、歯科や画像診断に興味があり、心臓内科に力を入れています。最近は、ペットの口腔内について以前より関心を持っていただけるようになりました。歯周病や重度の歯石は、内臓疾患にも繋がります。ただし、そのようになってからでは自宅でのケアはなかなか大変ですので、小さい頃からの日々の口腔ケアを積極的に推奨しています。
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