都電荒川線早稲田駅から徒歩5分、東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩10分、さらにこの地域で有名なホテル前というわかりやすく通いやすい場所に「ワトソン動物病院」はある。開院から21年。すっかり西早稲田の地に根付いた動物病院だ。穏やかな口調で話す斉藤勝之院長は、獣医は動物を治療することを中心にしながらも、飼い主の幸せのために貢献するのが使命という考えだ。例えば犬の爪切りが上手くできなくて飼い主と犬が仲良くできないなら、当院で爪を切るから、飼い主と犬は仲良くしてほしいというのだ。一見、少し変わった考えに思えるけれど、よく話を聞くと大きく頷かずにはいられない。獣医療の独自の捉え方を中心に、斉藤院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2017年1月11日)
―開院から21年、地域に根差した動物病院ですね。
獣医というのは、飼い主さんとの関わりの中でやっていく仕事。地域のもつ空気感や暮らしている人々の雰囲気がわかっている場所で仕事をしたいという思いがあり、私が育った文京区小日向からほど近いこの場所で1995年に開院することにしました。ペットの避妊・去勢手術、狂犬病注射、ノミ・ダニ予防、定期健診、しつけ相談など、飼い主さんのちょっとした不安や困ったことを解決するお手伝いをするのが当院です。人間の医療で言うところの「町医者」にあたる動物病院でいたいというのが当院の理念です。
―先生がめざす「町医者」について具体的にお伝えいただけますか?
当院では犬と猫の診察を行っています。動物病院は一般的には全科診療ですので、犬と猫の総合医をめざしています。何かの診療科目に特化するのも一つの方向性ですが、「一つの体全体を通して、あなたのペットを一番理解している町医者でありたい」というのが私の思いです。東京には、眼科、皮膚科、腫瘍科などに特化した動物病院や鳥、うさぎ、カメやトカゲのエキゾチックアニマルを詳しく診療している病院もあります。つまり東京には専門性の高い動物病院が存在することが東京に住む飼い主さんにとってのメリットなのです。どんな病気についても知識や技術をアップデートするよう心がけてはいますが、そのメリットを最大限に生かすために、当院ですべて診るのではなく、専門機関にお願いするという選択肢も含めて飼い主さんの望む治療を行えるように心がけています。
―早朝8時30分から診療しているのですね。
なるべく飼い主さんが来院しやすい環境を作りたいと考えて早朝から診療しています。例えば出勤前に当院に寄ってペットを預けていただいて、必要な検診や治療などを行い、帰社後にペットを迎えに来ていただくというふうに利用してもらえるかな、という思いがあって始めました。実際にはそういう方はあまりいなくて、普通に昼や夜に来院する飼い主さんがほとんどですけれど。休診日や外来診療時間外でも事前に予約いただければ、可能な限り対応を心がけております。何分にも獣医師が私一人なので、十分な対応はできていないかもしれませんが、継続的な診療などではお正月もゴールデンウィークもないのが動物診療だと感じています。
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