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小儀 直子 副院長の独自取材記事

小儀動物病院

(吹田市/吹田駅)

最終更新日: 2026/04/15

大切なペットとともに長く過ごすために、気軽に相談できて、しっかりと寄り添ってくれる動物病院は、飼い主にとって欠かせない存在だ。吹田駅から徒歩7分の場所にある「小儀動物病院」は、1979年に開院。地域に根差した獣医療を提供し、長きにわたり地域のかかりつけとして幅広い診療を行ってきた。現在は、院長の思いを継承した副院長の小儀直子先生が中心となり、内科や外科はもちろん、皮膚科、歯科や眼科まで幅広く対応。院内は動物たちに心地良く過ごしてもらえるための工夫が随所に施されている。「動物さんが幸せな生活を過ごすためにどうしたらいいのかを考えていきたい」と話す小儀先生に同院の歴史や経歴、力を注いでいる治療などについて話を聞いた。(取材日2026年3月3日)

獣医師の両親の姿を見て、自身も同じ道へ

先生が獣医師をめざしたきっかけを教えてください。

獣医師である両親の影響が非常に大きいですね。当院は1979年に父が開院し、阪神・淡路大震災の年に現在の場所に移転しました。小さい時はこっそり忍び込んで、犬のおやつを食べたりしたこともありました(笑)。父はものすごく意欲的な獣医師だったんです。勉強してどんどん新しいことにも挑戦して、ない道具があれば手作りするような人で、ものすごく熱意にあふれていました。母も獣医師ですから家では仕事の話ばかりしていました。そのような環境で育ちましたから、自然と刷り込まれていったんでしょうね。小学校の時には私は獣医師になるものだと思っていました。でも、高校1年生くらいまではあまり勉強していなくて。獣医師になるのは狭き門だというのを知った時に、「これはまずいぞ!」と思い、一念発起して一生懸命勉強し、父の母校である北海道の酪農学園大学に入学しました。

卒業後のご経験で今につながっていることは?

北海道大学獣医学部の付属動物病院で内科と外科の研鑽を重ねました。内科は、皮膚科、血液内科、内分泌、消化器、泌尿器、循環器、呼吸器、神経内科と、外科は軟部外科、整形外科とあり、それぞれ専門の先生について勉強しました。当時の北海道大学は、今と比較して細分化されていなかったんですね。そのおかげでいろいろなジャンルの病気を診られたので、一次診療に携わる身としては非常に勉強になったと感じています。また酪農学園大学で専攻していた腫瘍軟部外科では、死と対面することが多く、臨床の厳しさをずっと感じていました。しかし、北海道大学で交通事故に遭ったワンちゃんが指導担当の先生の手術を受け、元気になった姿を見て「手を差し伸べることができるんだ!」と実感したんですよね。それは本当に電撃が走ったぐらいの喜びでした。この時、環境による影響だけではなく、自分の意思で「この仕事を一生していきたい!」と思いました。

診療をする上で大切にしていることは何ですか?

当院が大切にしているのが、動物さんをしっかり見ること。動物さんは具合の悪さを言葉では表現できません。さらに、自分の体調が悪いことを外にあまり出さず、どちらかというと隠す傾向があるので、人間が見て具合悪そうだなと思う時には、かなり悪くなっていることが多いんですよね。ですから検査による数値ももちろん大切ですが、見て、聞いて、触って、においを嗅いで、身体検査で動物さんを丁寧に診て、見逃しがないように努めています。一番近くで見ている飼い主さんから、実際の情報を引き出すことも重要視しています。飼い主さんがおかしいと思っていなくても、実は異常だったりする場合もあるので、聞き方を工夫して情報を得るようにしています。動物さんが幸せな生活を過ごすためにどうしたらいいのかを、飼い主さんと一緒に話し合いながら決めています。

内科から外科まで幅広い診療を行う

診療体制について教えてください。

獣医師が常に3~4人いる状況をつくり、チーム医療で診療にあたっています。それぞれ担当を持ってはいますが、各分野に強みを持つ複数の獣医師がいることで、獣医師が判断に迷ったりした場合などは、チーム全体で知識や経験を共有しながら診療をできるのがメリット。それが動物さんや飼い主さんの安心につながるようになっているかなと感じています。

院内は動物が心地良く過ごせるような工夫が随所に施されていますね。

はい。動物さんが緊張してしまったり、他の動物さんを見て興奮してしまったりすると、実は診断の精度に影響を与えてしまいます。そのため、待合室と診察室で皆さまと動物さんたちにより快適に過ごしていただくために工夫しました。まず入り口は飛び出し防止のため二重扉にして安全を確保。待合室には、もしもの時にどなたでもお使いいただけるおむつラックを設置しています。そして、より敏感な猫のために、院内での環境ストレスを最小限にするため気持ちが落ち着くフェロモンを用いた猫待合を設けています。診療室は、2面ガラス張りの明るいオープンタイプの診察室で、一度に3~4件の診察が可能です。必要な時にはパーティションを使って目線を遮ることができるので、怖がらせずに診察ができるような工夫をしています。

検査機器も非常に充実していますね。

父が積極的に先進の機器を導入していましたので、大学病院と遜色のない検査ができるのは、当院の強みです。画像検査はエックス線検査だけではなく、超音波検査が可能で、心臓や腹部臓器の詳細な画像を得るために役立てています。また生化学検査にも注力し、CRP測定装置、ホルモン測定装置、血液凝固系検査装置を備え、院内でほぼ完結できるようにしています。手術室は2つあり、人工呼吸器のついた麻酔器を設置しているため、簡単な処置や手術を行うことができます。

力を入れている分野はなんでしょうか?

高齢の動物さんが増えていることから、まず循環器に力を入れています。例えば最近では、心臓超音波検査は心雑音がある動物さんだけではく、ある一定の年齢以上の動物さんに対しては、心雑音がない場合にも行っています。ある程度の年齢になると、血液の逆流などの病気があるケースも多いのです。早期発見ができれば適切な時期にお薬を使った治療を始めることにつなげられますので、今後も注力していきたいですね。

動物の幸せが第一。何でも相談できる場所に

歯科と眼科も診ていただけるのですね。

歯科と眼科についても、今後力を入れていきたい分野です。まず歯科ですが、当院では歯科治療ユニットを備え、東京から月1、2回来てくださる歯科口腔外科専門の先生に習いながら、より良い獣医歯科を提供できるように研鑽しています。人間は雑食動物で、歯は臼のような形をしていますが、犬や猫はほぼ肉食動物なので鋭いはさみのような形をしています。そのため実は硬いものを噛むと歯が折れてしまうケースも多いんです。まだそういったことは広く周知されていませんので、啓発にも力を入れています。眼科ではスリップランプで診察し、当院で可能な処置は対応します。白内障や網膜剥離など外科的な手術が必要な場合は、懇意にしている豊中市の眼科専門動物病院に紹介いたします。眼科の領域も日進月歩で発展していますので、こちらも新しい技術や情報をできる限り取り入れていきたいと思います。

スタッフさんについて教えてください。

猫ちゃんにも優しい動物病院をめざし、猫ちゃんのことをより深く理解するため、2024年に私と、愛玩動物看護師3人がCATvocateという猫の専任従事者の認定を受けました。また、私が当院のスタッフたちにいつも話すのは「自分や、自分の家族が病気をした時に、自分がしてほしいことを患者さんにしてあげて、自分が接してほしいように接してください」ということ。私も含めみんなが「動物が好き」という気持ちでこの世界を選んでいるので、その初心を忘れずに取り組んでいきたいです。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

動物さん一匹一匹に合った医療を、提供できるように日々研鑽を重ねていきたいですね。どんどん新しい研究が進んでいて、以前は正しいとされていたこともだんだんと変わってきています。最新の情報も取り入れながら、より動物さんとご家族が幸せな時間を過ごせるように、これからも尽力していきたいですね。ちょっとした違和感や細かい変化でも実は大きな病気が隠れていることもあるので、気兼ねなくご相談ください。

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