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犬や猫の歯科検診で見つかる 歯周病や奥歯の割れ

小儀動物病院
(吹田市/吹田駅)
最終更新日: 2026/04/14


人間でも成人の約半数以上が歯周病に罹患しているというが、動物でもそれは同じ傾向にある。特に高齢になると、その数は増えるため、飼い主が注意して口の中も観察する必要があるだろう。ペットの口臭や出血などで病気かどうかを見分けるのは難しいが、動物病院で定期的に検診を受けていれば、重症化する前に対処ができる。そこで歯科検診に注力しているのが、「小儀動物病院」だ。20年前から歯科口腔外科を専門とする獣医師が毎月、診察日を設けて検査を行っている。副院長の小儀直子先生も専門の獣医師のもとで学び、セミナーを受けながら歯科の勉強を継続。定期的な検診から重度の歯周病まで総合的に対応する同院の小儀先生に、犬や猫の口内の病気について話を聞いた。(取材日2026年3月31日)
目次
日頃から口臭や歯茎の腫れなどを観察して、歯周病を予防しよう。硬いおやつで歯が折れていることも
Q.ペットの歯茎の腫れや口臭、出血が気になります。
A.当院でも、歯茎の腫れや口臭、出血を気にして来院される方は多いですが、その多くが歯周病です。歯周病は動物の7、8割が罹患しているともいわれる病気。進行を遅らせることはできますが、気づかないところで罹患していることも多いので注意が必要な病気です。高齢になれば増える病気でもありますから、気になるところがなくても、8歳を過ぎたら詳細な検査や処置をすることが大切ですね。ワンちゃんでは口臭が強い場合は、メラノーマなどのがんができてしまっていることもありますし、猫ちゃんでは、扁平上皮がんも多いですね。舌の裏や口の奥にがんができていることもありますから、検査では麻酔をかけて口腔内を詳細に観察します。
▲歯周病に罹患している動物は多く、7、8割を占めている
Q.他にどんな症状に注意をすればよいですか?
A.猫ちゃんに多い口内炎では、ドライフードをあまり食べなくなったり、よだれが多くなったりします。よだれを拭くので前足が汚れていたり、毛づくろいができなくなって毛並みも悪くなるのが特徴です。また、ウェットフードばかり好むなどの小さな変化を見逃さないことが大切です。ワンちゃんは、元来食欲が旺盛なのでお口の病気があっても意外と食べられるために気づくのが遅れがちですが、食事に時間がかかるとか、口臭の強さで見分けます。口臭はどの子も多少はあるものですが、排水溝のような臭いがあれば要注意。がんの場合は、組織が壊死する強い臭いがあります。歯周病でも放置すれば、食事がうまくできず最終的には死に至ることもあります。
▲食事の時の小さな変化を見逃さないことが大切
Q.歯周病では、どんな検査や治療を行うのですか?
A.第一ステップは、口腔内の視診です。さらに歯の周りの骨や組織の変化を見る場合は、口の中にフィルムを入れてエックス線写真を撮ったり、歯周ポケットの深さを測ったりします。また、こういった詳細な検査をする際は、麻酔を使用します。麻酔の前には、血液検査や心臓エコー検査などで全身チェックを行い、麻酔が安全に行えるかどうかの検査も行います。麻酔を使って検査を行った場合には、薬が作用している間に必要な歯石除去や歯の研磨、抜歯などの治療も並行して行うことができます。検査、診断、治療を一度に行い、基本的には日帰りになりますが、血栓症などのリスクが高い重症のケースでは、入院します。
▲口腔内の視診の様子。エックス線を用いて詳細な検査を行う
Q.お口のトラブルで先生が気になっていることはありますか?
A.歯の病気の早期発見は大切なので、ワクチン接種の際の全身チェック時には口腔内も観察するようにしています。その際、歯そのものが折れたり割れたりしている様子も多く見られます。犬用として市販されているおやつの中にも、歯に良くないものがあることは知っておいてほしいですね。鹿の角や硬いガムなどを噛むと、奥歯にある裂肉歯という歯がはさみの刃こぼれのように折れてしまうことがあるのです。そうなると、そこからばい菌が入って顔が腫れてしまいます。肉食動物の歯は、人間の臼歯のようなすりつぶす歯ではなく、肉を切り裂くはさみの歯だという特性を理解してください。はさみで切れないものは歯に負担をかけやすいということですね。
▲肉食動物の歯の特性を理解することが歯の負担を軽減する
Q.こちらのクリニックの歯科検診の特徴を教えてください。
A.当院では、海外で歯科口腔外科について専門的に研鑚を積んだ先生に月に1、2回来ていただき、診療をお願いしています。重症の場合にもその先生が診療しますし、クチコミで歯科診療を求めて来られる患者さんも多いのが特徴です。また当院はその先生の歯科勉強会の拠点にもなっており、周囲の獣医師さんも集まって定期的に勉強会を行っています。歯科用エックス線で歯茎の内部も正しく把握した上で処置をすることが大切だと、専門の先生からも厳しく指導されていますので、設備にも力を入れ、歯科専用の診療ユニットで精密な治療を行っています。歯をなめらかに削ったり、歯石除去をしたりといった処置がスムーズに行える環境になっています。
▲日常的に行う、ペットの観察と歯磨きが大切と話す小儀先生
動物病院からのメッセージ
小儀直子副院長
日常的に行っていただきたいのは、観察しながら歯磨きをすることです。動物にとって口の中を触られるのはとても嫌なことなのですが、その都度褒めてあげたり、ご褒美を適切に使うなどしながら、小さい頃からの習慣にしてあげると良いでしょう。正しい歯磨きの仕方なども当院では丁寧に指導していますから、ぜひ歯周病を予防してあげてください。人間と大きく違うのは、ワンちゃん猫ちゃんなどの肉食動物の場合は、咀嚼に歯をあまり必要としないこと。たとえ歯周病になって抜歯をしたとしても食べることができますし、むしろ抜歯をして痛みがなくなれば、食欲が戻ってくることも。人間との違いを理解していると、判断しやすいと思います。
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