田村 浩司 院長の独自取材記事

フレンズ動物病院 高槻駅前院
(高槻市/高槻駅)
最終更新日: 2023/09/20

「フレンズ動物病院 高槻駅前院」は、JR京都線・高槻駅から徒歩約6分。本院は、1974年に開院し、長年にわたりペットの健康を守ってきたフレンズ動物病院だ。院長を務める田村浩司先生は、先進的な設備機器を積極的に導入。より質の高い動物医療の提供に努めており、大阪市内など遠方から来院する飼い主も少なくない。また、病気にならないことを大切にしたい、飼い主が集える場所を提供したいとの思いから、健康診断に力を入れるとともに、トリミングサロンやペットホテルも併設している。「地域の動物病院の良さを大切にしながら、より専門性の高い医療を提供したい」という田村院長に、同院の診療の特徴や動物医療にかける思いを語ってもらった。(取材日2023年8月3日)
検査や治療の前に飼い主としっかり話し合う
診療の際に心がけておられることは?

オーナーさんとしっかり話し合うことを大切にしています。動物の診療には、一次診療と呼ばれる通常の診療と、一次診療の診断結果を踏まえてより専門的な資料などを提供する二次診療があり、二次診療を専門的に扱っている医療機関もあります。当院の場合、さまざまな診療設備を整えており、二次診療にも対応可能ですが、あくまで一次診療を行う地域の動物病院と考えています。このため、例えば検査を行うにしてもオーナーさんの理解と同意を得ることが欠かせません。
インフォームドコンセントが大事なのですね。
そうです。例えば、「CT検査が必要」と他院で言われて来院された場合は、「すぐにCTを撮ってください」とオーナーさんから精密検査を希望されます。しかし、そうした場合以外でいきなりCT検査を勧められても、混乱されると思います。先進的な医療を取り入れて病気を治療することはとても大切なのですが、医療を提供する側が主導的になり過ぎると、オーナーさんの満足が得られないおそれもあるので、納得していただけるよう話し合うことが大切です。
CTや内視鏡はどのようなケースで使用されるのですか?

基本的には人間と同じような用途で使用するものです。CTの大きなメリットは、情報量が圧倒的に多く、病変などをより詳しく調べられることです。動物は痛みや苦痛などを言葉にすることができませんからね。当院の場合は、高齢の犬や猫のおなかの中に小さな腫瘍が見つかった際や、手術計画を立てるために血管の状態を確認する際などに本当に重宝しています。また、犬に多い歯周病も歯茎の奥のほうまではっきりと確認できます。内視鏡は組織を採取する生検など人間と同じような使い方以外にも、ペットに多い誤飲した異物を取り出す際によく使用します。
腹腔鏡を使った手術にも対応しておられます。
使用頻度が高いのは、犬の避妊手術です。体の大きさにかかわらず、本当に小さな数ミリ程度の傷が3ヵ所できるだけなので、開腹手術に比べて負担がかなり軽減できます。このため、遠方からも多くの方が来られています。他の症例の場合は、症状や異常のある部位、動物の体のサイズによって腹腔鏡と他の方式を使い分けています。体の中にある病変などを取り出そうと思うと、ある程度の開口部が必要になり、腹腔鏡の小さな穴では対応できないこともあるからです。また、体の小さい動物の場合は、開いてしっかり見ないと手術が行えないこともあります。
より先進的な動物医療を提供するために開院
獣医になったのはお父さまの影響ですか?

子どもの頃から父の診療の様子などは見てきましたが、父から獣医師になることを勧められたことはないし、実際、兄弟3人のうち父の後を継いで獣医師になったのは僕だけです。ただ、兄弟の中で、動物に一番興味を持っていましたし、面倒を見たりするのが好きでした。父も子どもの頃から動物が好きだったようなので、通じる部分があるのかもしれません。
先生の専門分野について教えてください。
獣医師は人間のように部位ごとに専門が分かれていないので、ジェネラリストとして全身を見る必要があります。その中でも、特に興味を持って取り組んできたのは外科の領域です。画像を用いた診療に強い関心があり、当院でもCTや内視鏡を使った診療に力を入れています。眼科にもとても興味があるので、将来的には診療設備を整えたいと考えています。こうした自分の興味のある分野は自然に勉強しますが、苦手な分野については自主的に学ぶのは難しいので、僕の場合は苦手な分野こそ学会に所属して勉強の機会を作るようにしています。学会に入るまであまり興味のなかった分野でも、学んでみると結構気づきがあります。
本院に加えて高槻駅前院を開設されたのはなぜでしょうか?

以前から新しい医療設備を取り入れたいと考えていました。しかし、本院のほうはスペースに限界があり、高槻で分院を開設できる場所を探していたんです。本院には歴代のペットのために通院されているオーナーさんもたくさんおられ、昔ながらの動物病院の良さがあります。新しいことにも挑戦しているので、新しくかかりつけにしてくださる方も少なくありません。一方、こちらのほうは先進の設備機器がそろった医療センターとまではいかないものの、新しい設備を積極的に導入しており、周辺エリアにお住まいの方はもちろん、大阪市内や川向こうの枚方市から来られる方もいらっしゃいます。
健康診断にも力を入れているそうですね。
予防が大切なので、健康診断を推奨しています。昨年までは、年に1回お声がけをしていたのですが、オーナーさんから「犬の1年は人間の4年分なのに年1回では少ない」などとご指摘を受け、春と秋の2回に増やしました。年々受けられる方が増えていますよ。猫についても、秋に「ニャンドック」と名づけた健診を実施しています。万一、病気が疑われる所見があっても、当院ならすぐにCTなどを活用して精密検査が行え、早期発見につなげられます。
経験豊富で動物愛にあふれたスタッフが自慢
犬、猫以外のペットについてはどうですか?

うさぎ、ハリネズミ、フェレット、ハムスターなど、いわゆるエキゾチックアニマルと呼ばれる動物の診療にも対応しています。周辺にこうした動物を診るところが少ないので、遠方からも来院されます。こうした動物を診療する際は、動かないように持つ「保定」がとても重要です。当院のスタッフは犬、猫はもちろん、いろいろな動物を診てきた経験があり、動物ごとの持ち方に通じているのでとても診療しやすいんです。何よりも本当に動物が好きなので、オーナーさんが安心してくださいます。
トリミングやペットホテルにも対応しておられます。
周辺にそうした施設が少ないので、ご要望にお応えする形で開設しています。現在6人のトリマーが在籍していますが、1頭のトリミングに2時間以上かかるので、6人でも対応しきれないほど需要と供給のバランスが悪いのが現状です。ペットホテルについても圧倒的に足りない状態ですね。動物病院にとってこうしたサービスの継続は難しい面もありますが、1ヵ所でさまざまなサービスを受けられることは、ご利用される方にとって便利なのではと考え取り組んでいます。
今後の目標等教えてください。

まずはこのクリニックを軌道に乗せることに力を注いでいきたいと思います。スタッフたちが新しい設備などにまだ慣れていない部分もあるので、しっかりと使いこなせるように、勉強会などに積極的に参加してもらっています。今後は、長く勤めてくれた人には、実力のあるスタッフの独立支援も検討していきたいですね。
読者にメッセージをお願いします。
先進的な設備を導入しているせいか、敷居の高いクリニックと思われるかもしれませんが、検査の押し売りなどは絶対に行いません。他のクリニックで検査を受けられた場合は、そのデータをご持参ください。検査の費用や検査時に動物の体にかかる負担を減らすためにも、省ける検査は省くようにします。地域の動物病院としてのアットホームな雰囲気を大切にしながら、必要な場合は専門性の高い診療を提供して、できる限り当院で完結できる診療の提供に努めています。ペットのことで悩んでおられることや、気になることがあるときは、どうぞお気軽にご相談にいらしてください。
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