松本 義行 院長の独自取材記事
めじろ台どうぶつ病院
(八王子市/めじろ台駅)
最終更新日: 2023/01/22
「めじろ台どうぶつ病院」は、松本義行先生が院長を務めるアットホームなクリニック。院内は温かみのある木目があしらわれ、クリニックの外には、大型犬も待てるように、という配慮から、テーブルと椅子、夏にはパラソルがセットされ、まるでカフェのようなくつろぎを感じる。松本院長は笑顔の素敵な穏やかな先生で、飼い主はもちろん、動物の心に寄り添った診療を行っている。また、同院は無休で診療を行っているが、時間の合間を縫って勉強も惜しまない、たいへん熱心なドクターだ。今回、松本院長に診療についてはもちろん、動物や飼い主に対する思いについてなど、たっぷりと話を聞いた。 (取材日2017年3月22日)
医療設備を充実させ、医療に対する飼い主の意識も向上
獣医師をめざしたきっかけは何でしたか?
高校生の時に仲の良い同級生たちが医学部の受験勉強に励んでいる姿を見て、医療関係の仕事に関心を持ちました。そこで、僕は動物が好きだったので獣医師をめざすようになりました。また、子どもの頃からプラモデルをつくったり、小さい紙で鶴を折ってみたりと、こまかい作業をするのが好きで、今思うと、獣医師としての適性もあったかもしれませんね。大学へ入学した頃にはすでに、自分の裁量を発揮することのできる開業医に憧れ、いつか自分のクリニックを持ちたいと思っていました。
続いて、こちらで診療に至るまでの経緯を教えてください。
当院はもともと、大津先生の開業された「大津動物病院」という名前のクリニックでした。府中出身の僕にとって同じ多摩地区にあり、また大津先生の温かい人柄に惚れ、僕もこちらに携わらせていただくようになり、のちに後継者として任せていただくようになりました。そして、僕が院長として飼い主さんに周知いただけるようになったのもあり、昨年、心機一転を図り、「めじろ台どうぶつ病院」と名前を新たにしました。
松本先生が院長に就任してから変わったことはありますか?
超音波、デジタルレントゲン、人工呼吸器、電気メス、シーリングシステムなど、医療機器を一からそろえました。最近は内視鏡を導入しました。以前は用意がなかったので、あらゆる飼い主さんの要望に応えられるように体制を整えたんです。また、それまで治療の選択肢があることをご存知なかった飼い主さんも多かったため、このことをきっかけに、獣医療に対する飼い主さんの意識も高くなったように感じていますね。
診察では、動物の全身観察と飼い主との意思疎通を重視
こちらでは、何の診療を行っていますか?
近年はそれぞれの動物について研究が進み、昔よりも診療できることが格段に増えました。そこで当院では、手広く動物を扱うのでなく、しっかりとした診療を飼い主さんにご提供できるよう、診療対象の動物を犬猫とさせていただいています。飼い主さんのホームドクターとして、主に一般診療を行っていますが、できる限りのことをやって差し上げたいという思いで診療しています。特に高齢化に伴い増加している循環器科や腫瘍科の治療には力を入れています。それから、飼い主さんが困った時にいつでもお越しいただけるよう、当院には僕を含めて3人のドクターが在籍し、毎日診療しているのも特徴です。毎日継続して行う治療もあるので、僕にとっても治療の計画を立てやすいですし、飼い主さんにも喜んでいただいています。また飼い主さんにとってドクターによって話しやすさなどが違うと思いますので、それを気軽に言えるよう問診票に書く欄を作ったりもしています。
診療はどのように行われますか?
動物は人間以上に、身体の全部を診ないと誤診につながります。例えば目がおかしいと言って飼い主さんが来院されても、僕は体温測定から始め、丁寧に全身を診察し、最後に目を診るようにしています。それは、全身性の疾患から患部に症状が表れている場合もあるのと、先に患部から診ると先入観から他の病気の可能性を見落とす危険があるからです。それから飼い主さんとのコミュニケーションを大切にし、ご意向に沿って診療を行っていますが、飼い主さんが他に方法のあることをご存知ないだけの場合もありますので、治療の選択肢について丁寧にご説明させていただいています。そのため前任の大津先生の時よりも診療に時間がかかる場合がありますが、トリミングや予防注射の時に初期段階で疾患が見つかることもあり、結果治療期間や費用などが抑えられ、動物たちも悪くなる前に治療することができますので、そこは継続していきたいですね。
飼い主さんの知識を補いながら、治療のご提案をされているのですね。
よく、「もう高齢だから延命はしたくない」とおっしゃる飼い主さんがいらっしゃるのですが、それは動物に痛くて苦しい状態を最期まで強いることになってしまいます。けれど、少しの治療によって痛みを和らげ、寿命を1~2年延ばせることは多いにあります。動物にとっての1年という時間の長さは大きいですから、飼い主さんが諦める前に一度、治療のご提案をさせていただいていますね。また、「治らないなら治療をしない」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、治らないからといって何もしないで痛いままにしておくのはかわいそうだと思うんです。完治を望めない状態であっても、動物から苦しみを取り除いてあげられる治療法をご提案しています。その上で、治療をしない選択をされるなら、もちろん無理強いはしませんが、動物の状況を理解される飼い主さんがほとんどですね。
飼い主にとって気軽に足を運べるクリニックでありたい
痛みの軽減も大切にされているのですね。
痛みというのはただ痛いだけでなく、痛いことによってストレスを増やし、治癒を遅らせてしまう原因にもなるので、痛みを取り除くことはとても重要です。麻酔に関しても、動物の性格や状態によって使用する種類や量も異なってきますので、さまざまな種類を取りそろえています。また、痛みをできる限り軽減させてあげる治療をするという自分の診療方針を実際に反映し、それがうまくいくと、飼い主さんに喜んでいただけるんですよね。その笑顔を見る度に、開業してよかったなって思いますね。
来院する飼い主さんに、伝えたいことはありますか?
予防にも力を入れています。動物は人間と比べて病気の進行も早いですし、多少の痛みでは表に出さないので、気付いた頃には手遅れということも少なくありません。特に大きなワンちゃんだと、亡くなる直前まで食欲の落ちないこともあります。そこで、月に一度の爪切りでもいいので、なるべく来院機会をつくってもらうようにお伝えしています。また、当院は新規の方でもホテルやトリミングでの利用も可能で、その際は一度診察させていただいています。人間のように国民健康保険もありませんし、実際、動物病院は費用のかかるイメージが強いかもしれません。ですが、飼い主さんに気軽にお越しいただきたいという思いから、ご質問があればお見積りを出してお答えするなど、飼い主さんにわかりやすく安心して治療を選択してもらえる取り組みをしていますので、安心してお越しいただきたいですね。
お休みの日の過ごし方を教えてください。
最近は、テニスをしているときが楽しいですね。中学生のときに軟式テニスをやっていたのですが、運動不足にならないよう、1年前から硬式テニスを始めました。それから自宅で飼っている猫と亀と過ごす時間が癒やしになっています。
最後に読者にメッセージをお願いします
さまざまな学会に所属して、できるだけ勉強会に出向いています。医療はどんどん進歩しますので、今後も勉強を惜しまず、飼い主さんに喜んでいただけるよう、こちらで提供できる治療の選択肢を増やし、また飼い主さんにとって足を運びやすいクリニックにしていきたいと思っています。何か動物のことで不安を感じることがありましたら、気軽に来ていただければと思います。先述のとおり金額面で不安なことがあっても見積もりなどは出させていただきますし、必要な検査はしっかりしながら地域の飼い主さんたちにも安心して来ていただけるようなクリニックにしていきたいと思います。