橋本 雄大 院長の独自取材記事

はしもと吹田アニマルクリニック
(吹田市/山田駅)
最終更新日: 2026/06/15

吹田市にある「はしもと吹田アニマルクリニック」は、山田駅から車で約5分。同院の前には10台分の駐車場を備え、水曜を除く平日に加え、土曜・日曜・祝日も19時まで診療している。仕事や家事に追われる日々の中でも、“この子のために”と思ったときに無理なく足を運べる動物病院だ。セカンドオピニオンを求め、遠方から足を運ぶ患者も多く、その信頼の厚さがうかがえる。院長を務める橋本雄大先生は、各地の動物病院で経験を重ねながら、専門領域の知識と技術の研鑽にも励み、同院を開業。現在も学びを重ね、“原因を見極め根本から治す”ことに日々向き合っている。「受診して良かったと思ってもらえる動物病院でありたい」と語る橋本院長に、診療にかける思いや注力する分野、地域の獣医療に対する考えを聞いた。(取材日2026年3月16日)
専門的な知識や技術を積極的に吸収
獣医師をめざしたきっかけを教えてください。

幼少期から動物が好きで動物に関わる仕事がしたいと思っていました。中学生の時、尾ビレのないイルカに人工のヒレをつけて再び泳げるようにする番組を見て、「こんな仕事があるんだ」と強く心を動かされたことがきっかけです。その後、大学で学ぶ中で獣医療は病気を治すことだけが役割ではないと感じ、その本質をより知りたいと思うようになりました。動物を通して、人がどのように生活をしているのかを学ぶために選んだのが途上国での経験です。現地では、動物と人の関係性の中に獣医療の役割があることを実感しました。動物の状態だけでなく飼い主さんがその子に寄せる思いや背景にも目を向ける姿勢は、今の診療にもつながっています。帰国後、動物病院での臨床に携わる中で、救えなかった命と向き合った経験が、同じ思いをする方を少しでも減らしたいという現在の原動力になっています。
この動物病院ならではの強みや特徴は何でしょうか?
診療で大切にしているのは、「AかBか」という2択で終わらせないことです。それぞれメリットとデメリットがある中で、本当にその2つしか方法はないのかを考え続けています。AとBの中間や、両方の良い部分を組み合わせた“第三の選択肢”を探すことで、飼い主さんの考えや生活に寄り添った提案ができると感じています。その結果、新しい治療や専門性の高い医療に行き着くこともありますが、高度医療だけが正解だとは考えていません。これまで大切にされてきた治療も含め、幅広い選択肢を重視し、納得して選べる余地を広げたい。必要に応じて専門治療や最先端医療も選べるよう、知識と経験を積み重ねています。それが、この動物病院ならではの強みです。
こちらの動物病院の診療内容について教えてください。

現在は哺乳類全般を診ており、犬や猫だけでなく、うさぎやチンチラ、ハムスター、フェレット、フクロモモンガや猿など幅広く対応しています。診療の中で特に意識しているのは、「症状から入りやすい設計」にしていることです。一般的に診療科目ごとに分かれていますが、実際には「どの科に行けばいいのかわからない」と迷われる飼い主さんも少なくありません。そこで当院では、咳、下痢、かゆみといった“症状”ごとに専門的に対応することで、「とりあえずここに相談すればいい」と思っていただける入り口をつくっています。
迷わず受診ができることで相談しやすいのですね。
相談のしやすさが、早期診断や治療につながるとも考えています。これらの症状は慢性化しやすく、仕方がないものと思われていることも多いですが長く続く症状には必ず理由があります。症状が続くことで動物の負担も大きくなり、飼い主さんも不安な時間が続いてしまうからこそ、原因を見極め、少しでも改善につなげたいという思いで取り組んでいます。特定の曜日や時間を設けるのではなく、診療時間の中で対応しており、必要に応じてお昼休みの時間を使って個室で1時間ほどじっくりお話を伺うこともあります。症状だけでなく、背景や経過まで含めて丁寧に向き合うことを大切にしています。
長引きがちな症状に専門的に対応
先生の診療ポリシーを教えてください。

私が大切にしているのは、まず何よりも“今苦しんでいる動物を確実に楽にしてあげること”です。痛みがあるなら和らげ、呼吸がつらいなら少しでも楽にし、続いている下痢も改善へ導くなど、その子が抱えているつらさを丁寧に取り除くことを重視しています。同時に飼い主さんが「受診してよかった」と心から思える診療でありたいと考えています。不安は人によって違い、言葉にしづらいことも多いものです。だからこそ対話を大切に、不安を一緒に整理し、必要な治療と説明で確かな結果につなげる――そのプロセスを大事にしています。動物にも飼い主さんにも、安心できる選択肢を提供できるよう努めています。
基本に忠実な診察を大切にされているのですね。
例えば「咳」と一言でいっても、その種類によって診断や治療は大きく変わります。「ケーケー」という音なのかそれ以外なのかでも考えられる疾患は異なります。実際に、他院で長く腸炎と診断されていた症例が、触診だけで腸内異物と分かったこともありました。CTや内視鏡などの検査も重要ですが、まずは問診・視診・触診・聴診といった基本の中でどれだけ情報を拾えるかが、診断の精度を大きく左右します。症状だけでなく、飼い主さんがどのような思いで来院されたのかまで含めて理解することが、正しい診断につながると考えています。
注力している診療について教えてください。

呼吸器疾患の診療に力を入れています。また、避妊・去勢手術から尿管結石、腫瘍の手術まで幅広く対応し、抗がん剤や分子標的薬などの治療も取り入れています。その中で大切にしているのは「その子にとって最適な治療を選択すること」です。病気だけでなく年齢や体力、生活背景も踏まえながらできるだけ負担の少ない方法を選んでいます。特に手術において重視しているのが麻酔管理です。動物の手術では全身麻酔が基本となることが多いですが、検査と手術では求められる麻酔の考え方は異なります。当院では「必要最小限の麻酔で行うこと」を前提に動物の状態や処置内容に応じて細かく調整しています。体への負担はできる限り少なくし、バランスを見極めることが重要だと考えています。
レベルアップのための努力を惜しまない
手術は他院に紹介されることもありますか?

対応できる手術については基本的に院内で行っております。ただし、動物にとっても飼い主さんにとっても、より良い治療をご提供することが最も大切だと考えています。そのため、より専門的な設備や高度な技術が必要と判断した場合には、症例に合った信頼できる先生へご紹介することがあります。紹介先を選ぶ際には、規模の大きさだけで判断することはありません。可能なら時間を使ってお伺いし、先生と直接お話をした上で、必要に応じて手術を見学させていただくこともあります。「この先生なら安心してお願いできる」と感じた先生にご紹介しています。動物の状態にとって最善の選択ができるよう、院内外の連携も丁寧に行いながら責任をもってサポートしていきます。
今後の目標を教えてください。
この地域で動物と暮らしている方が、「何かあっても大丈夫」と思える環境をつくっていきたいと考えています。そのためにも、呼吸器や皮膚、腫瘍といった分野の専門性をさらに高め、設備や体制を整えながら安心して任せていただける医療を広げていきたいですね。将来的には分院やグループ院の展開も視野に入れ、より多くの動物と飼い主さんに質の高い医療を届けられる体制をつくっていきたいと考えています。
読者へのメッセージをお願いします。

動物や飼い主さんにとって、本当に良い医療の形は一つではありません。だからこそ私たちは受診された方が「ここに来て良かった」と心から思える診療を大切にしています。どんな小さなことでも遠慮なくご相談ください。安心して話せる場所であり続けることが私たちの使命です。当院の症状別の外来には、セカンドオピニオンとして来院される方が多くいらっしゃいます。咳、かゆみ、下痢などの症状は、他の病院で改善が見られず悩まれているケースも珍しくありません。だからこそ私たちは「科目」ではなく「症状」に焦点を当て、専門的に、そして責任をもって根本改善をめざす診療を行っています。一時的に症状を抑えるだけでなく、「なぜこの症状が起きているのか」を丁寧に探り、動物にも飼い主さんにも納得していただける治療を提案したいと考えています。長く続くお悩みも、諦めずにぜひご相談ください。
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